宮大工とは

  • 宮大工として生きる

    私が大工になりたいと思った最初の記憶は、3才の時に遡ります。
    よく、「ウソでしょう」と笑われますが、本当です。
    サラリーマンであった父親の趣味の日曜大工の真似事が始まりで、幼稚園の文集の将来の夢の欄には「大工さんになる」と書いてあります。
    なので、「何代目ですか」と聞かれば、「初代です」となります。

    「大工になりたい」という思いは「やるなら一番になりたい」、「宮大工になる」と膨らみ、京都での修行をへて宮大工となりました。
    道を極めたいという思いは膨らみ、「やるからには関東一」いや「日本一の宮大工になる」と鼻息荒く、しかし気持ちばかりが先走りしていたような若造だったと思います。
    数え切れないくらいの失敗もありましたが、経験を積み、いつしか後進の指導に当たる立場となり、おかげさまで神奈川県内の文化財修理の数多くご指名をいただけるようになりました。

    宮大工としての知識を深めるには、生涯勉強だと思っています。

    今年は、京都工芸繊維大学の社会人を対象とする「リカレント教育プログラム」である
    「ヘリテージ・アーキテクト養成講座」を受講することとなりました。

    この講座は、、近代建築を中心とした歴史的建築物の「保存再生」、「活用」、「改修」などをテーマとし、その本質的価値を大切に守りながら、それらを使い続けるための理念や方法を学ぶ講座となります。

    この講座で学んだことを日々の仕事に活かせるよう精進していく所存です。

    宮大工の使命は、1300年続く、日本の伝統木工技術を守り伝えることです。
    大工として生涯学び、自らの腕を磨くのは勿論のこと、宮大工にはその技術を次の世代に伝える責務があります。

    世界が認める日本の伝統建築の技は、ユネスコの無形文化遺産にも登録されております。しかしながら、高度な技の習得には多くの時間と終ることのない努力が必要であり、伝統の技を継承する職人は年々減少、伝統建築の存続が危ぶまれている現状です。

    私は、美しいこの国の宝を守り伝える宮大工という職業を誇りとし、今の時代に生きる宮大工として以下のような活動を行っています。

  • 若手の育成

    若手の育成

    当社では、積極的に若手社員を採用しております。
    かつては、徒弟制度という名のもとに安い賃金で残業代も支払われず、怪我や病気の保証もない業界でしたが、当社では、退職金制度導入や育児休業制度導入の他、万が一の病気に備えガン等の疾病保険に加入し、福利厚生に力を入れております。

    建築士や施工管理技士をはじめとした様々な資格取得や、伝統建築に関する研修への参加をサポートし、やる気と能力のある者には、責任ある仕事を任せております。20代で棟梁を任されるものも少なくありません。

    次世代を担う若者たちが安心して働くことができる環境づくりに努め、宮大工という仕事に誇りをもってほしいと願っております。

  • 職業体験

    職業体験

    内田工務店では、中学生向けの職業体験を実施しています。
    宮大工という仕事に興味がある中学生に、普段なかなか見ることのできない伝統建築の現場を見学し、作業体験等をしてもらえる機会を設けています。
    体験を通じて、宮大工という仕事の実際を知り、それが自分に向いているかどうかの判断材料にしていただければ幸いです。

    また、専門学校生や大学生には、インターンシップも行っています。
    インターンシップの経験を経て、当社に入社し、棟梁にまで昇進した若者もおります。

    内田工務店は、未来ある若者の夢を応援しています。
    職業体験、インターンシップについては、お気軽にお問合せください。

  • 講演・公開事業への取組み

    宮大工の技術がこの先も保存されていくには、若手の育成だけではなく、多くの人に伝統建築とそれを支える建築技術の価値を知ってもらうことが必要です。 檀家様、学生、建築の専門家向けに講演会を開催し、伝統建築の周知に努めております。
    また、文化財修理現場では、行政からの要請に答え、一般市民向けの現場公開事業も開催、メディアへの取材協力等も行っております。

  • 日伝建理事として

    伝統建築技能研修の様子(日伝建Facebookより)

    日本伝統建築技術保存会(日伝建)は、日本古来の伝統的木造建築技術の保存・継承と向上を図ると共に、後継者の育成に努め、日本の文化的向上に資することを目的として活動する団体です。
    文部科学大臣より国の選定保存技術に認定された伝統建築大工の技「建造物木工」の保存団体として認定を受け、ユネスコ無形文化遺産「伝統建築工匠の技」にも登録されています。
    代表の内田は、平成23年より日伝建の理事を務め、文化庁・国宝重要文化財等保存整備補助事業「伝統建築技能研修」で講師の補助として、全国より集まった若手大工の指導に当たっています。

    「建造物木工」は、文化財の保存に欠かせない技術であり、保護されるべきものとして国の選定保存技術に認定されています。

    日伝建の広報担当の理事として、文化庁主催のイベント等で解説や実演等を行うことで、伝統建築の啓蒙活動に努めています。